1.基本的な内容
内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額がある場合には、当該剰余金の配当等の額から当該剰余金の配当等の額の5%相当額を控除した金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない(法法23条の2第1項、法令22条の4第2項)。
2.適用要件
(1)外国子会社の定義
外国法人のうち、次のいずれかの割合が25%以上であり、かつ、その状態が剰余金の配当等の額の支払義務が確定する日以前6月以上継続しているものをいう(法法23条の2第1項、法令22条の4第1項)。
- 発行済株式等のうちに当該外国法人から剰余金の配当等を受ける内国法人が保有しているその株式又は出資の数又は金額の占める割合
- 当該外国法人の発行済株式等のうちの議決権のある株式又は出資の数又は金額のうちに当該外国法人から剰余金の配当等を受ける内国法人が保有している当該株式又は出資の数又は金額の占める割合
保有割合については租税条約で別の定めがある場合がある。租税条約で別の定めがある場合はその定めによる(法基通3-3-3)。
(2)適用除外
外国子会社から受ける配当等の益金不算入の規定は、次に掲げる剰余金の配当等の額については、適用しない(法法23条の2第2項)。
- ①内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額で、その剰余金の配当等の額の全部又は一部が当該外国子会社の本店又は主たる事務所の所在する国又は地域の法令において当該外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入することとされている剰余金の配当等の額に該当する場合におけるその剰余金の配当等の額
- ②外国子会社による自己の株式又は出資の取得によりみなし配当が生じる場合において、その元本である株式又は出資で、自己株式又は出資の取得が生ずることが予定されているものの取得をした場合におけるその取得をした株式又は出資に係るみなし配当の額(その予定されていた事由に基因するものとして政令で定めるものに限る。)
①についてその剰余金の配当等の額の一部が当該外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものである場合には、その受ける剰余金の配当等の額のうち損金算入対応受取配当等の額をもって、適用除外となる剰余金の配当等の額とすることができる(損金算入対応受取配当等の額以外の金額は益金不算入とすることができる。法法23条の2第3項)。損金算入対応受取配当等の額とは、その受ける剰余金の配当等の額のうちその損金の額に算入された部分の金額として政令で定める金額をいう。
(3)申告要件等
外国子会社から受ける配当等の益金不算入の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に益金の額に算入されない剰余金の配当等の額及びその計算に関する明細を記載した書類の添付があり、かつ、以下の書類を保存している場合に限り、適用される(法法23条の2第5項、法規8条の5第1項)。この場合において、この規定により益金の額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とされる(法法23条の2第5項)。
- 剰余金の配当等の額を支払う外国法人が外国子会社に該当することを証する書類
- 外国子会社の剰余金の配当等の額に係る事業年度の貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書、損益金の処分に関する計算書その他これらに類する書類
- 外国子会社から受ける剰余金の配当等の額に係る外国源泉税等の額がある場合には、当該外国源泉税等の額を課されたことを証する当該外国源泉税等の額に係る申告書の写し又はこれに代わるべき当該外国源泉税等の額に係る書類及び当該外国源泉税等の額が既に納付されている場合にはその納付を証する書類(申告書の写し又は現地の税務官署が発行する納税証明書等のほか、更正若しくは決定に係る通知書、賦課決定通知書、納税告知書、源泉徴収の外国源泉税等に係る源泉徴収票その他これらに準ずる書類又はこれらの書類の写しなど(法基通3-3-6))
3.益金不算入額
当該剰余金の配当等の額から当該剰余金の配当等の額の5%相当額を控除した金額
4.外国子会社から受ける剰余金の配当等に係る外国法人税の取扱い
(1)外国税額控除の不適用
外国子会社から受ける剰余金の配当等の額につき外国子会社から受ける配当等の益金不算入の規定の適用を受けるときは、その剰余金の配当等に係る外国法人税の額は外国税額控除の対象とならない(法令142条の2第7項3号)。
(2)損金不算入
外国子会社から受ける剰余金の配当等の額につき外国子会社から受ける配当等の益金不算入の規定の適用を受けるときは、その剰余金の配当等に係る外国源泉税等の額は損金の額に算入することができない(法法39条の2)。