1.基本的な内容
内国法人が、各事業年度において固定資産の取得又は改良に充てるための国庫補助金等の交付を受け、その国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定した場合において、当該事業年度終了の時までに取得又は改良をしたその交付の目的に適合した固定資産につき、当該事業年度において圧縮限度額の範囲内で一定の経理をしたときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する(法法42条1項)。
2.適用要件
(1)国庫補助金等の範囲
国庫補助金等には国又は地方公共団体の補助金又は給付金のほか、一定の独立行政法人等による助成金又は助成金も含まれる(法令79条)。具体的なものは法人税法施行令79条を参照。
補助金交付団体を通じて実質的に国又は地方公共団体から交付を受けた補助金等も圧縮記帳の対象となる国庫補助金等に該当する(質疑応答事例「間接交付された国又は地方公共団体の補助金で取得した固定資産の圧縮記帳の適用について」)。
(2)返還不要の判断
以下の事項は国庫補助金等につき返還を要しないことが確定しているかどうかの判定には関係がないものとされる(法基通10-2-1)。
- 交付の条件に違反した場合には返還しなければならないこと
- 一定期間内に相当の収益が生じた場合には返還しなければならないこと
(3)経理方法
以下の経理方法が認められている。
- 圧縮限度額の範囲内で取得又は改良した固定資産の帳簿価額を損金経理により減額する方法(法法42条1項)
- 圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(法法42条1項)
- 圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法(法令80条)
(4)申告要件
国庫補助金等を取得した場合の圧縮記帳の規定は確定申告書に圧縮記帳した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用される(法法42条3項)。税務署長は、この記載がない確定申告書の提出があった場合においても、その記載がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、国庫補助金等を取得した場合の圧縮記帳の規定を適用することができる。
(5)清算中の法人に対する不適用
清算中の法人は適用することができない(法法42条1項)。
3.圧縮限度額
原則として交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良に充てた国庫補助金等の額に相当する金額(法法42条1項)。先行取得の場合は別途規定がある。
4.圧縮記帳の適用を受けた固定資産の取得価額等
内国法人がその有する固定資産について国庫補助金等で取得した場合の圧縮記帳の適用を受けた場合には、損金の額に算入された圧縮損相当額は、当該固定資産の取得価額に算入しない(法令80条の2第1項)。
また取得した固定資産が減価償却資産の場合、損金の額に算入された圧縮損相当額を控除した金額を取得価額として減価償却を行う(法令54条3項)。