美術品等の減価償却

1.減価償却の可否

減価償却資産から時の経過によりその価値の減少しない資産が除外されている(法令13条)。美術品等が時の経過によりその価値の減少しない資産に該当する場合、減価償却資産に該当せず、減価償却することができない。

以下のものは時の経過によりその価値の減少しない資産に該当するものとされる(法基通7-1-1)。

  • (1) 古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
  • (2) (1)以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上であるもののうち、時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの以外のもの

(2)の「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」としては、会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として法人が取得するもののうち、移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであり、かつ、他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものがこれに該当する(法基通7-1-1 注1)。

取得価額が100万円未満の美術品等は原則として減価償却資産として扱われる(法基通7-1-1 注2)。例外的に時の経過によりその価値の減少しないことが明らかなものは減価償却資産に該当しない(法基通7-1-1 注2)。

時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの」としては、高価な素材が大部分を占める小型の工芸品のように素材の経済的価値が取得価額の大部分を占 めるようなものがこれに該当する(平成26年12月19日付課法2-12ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明)。

2.美術品等の法定耐用年数

美術品等は通常「器具及び備品」に該当する。「器具及び備品」の「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品(他の項に掲げるものを除く。)」の区分に「室内装飾品」があり、美術品等は一般的にこれに該当すると考える。

「室内装飾品」に該当する場合、主として金属製のものの法定耐用年数は15年、その他のものの法定耐用年数は8年である。