支配関係がある場合の適格合併の要件

1.前書き

適格合併には以下の3つの類型がある
①完全支配関係がある場合
②支配関係がある場合
③共同事業要件による場合

合併が以下の要件をすべて満たす場合、②の適格合併に該当する。

  • 支配関係要件
  • 金銭等不交付要件
  • 従業者従事要件
  • 事業継続要件

2.支配関係要件

支配関係要件は当事者間の支配関係がある場合と同一の者による支配関係がある場合に分かれる。

(1)当事者間の支配関係がある場合

①基本的な要件

以下の要件を満たす場合、支配関係要件を満たす(法令4条の3第3項1号)。

  • ① 合併に係る被合併法人と合併法人との間にいずれか一方の法人による支配関係があること

②無対価合併の場合

合併が無対価合併の場合、以下の要件も満たさなければならない(法令4条の3第3項1号かっこ書き、2項2号ロ)。

  • ① 被合併法人及び合併法人の株主等の全てについて、その者の当該被合併法人の保有割合と当該者の当該合併法人の保有割合が等しいこと
    • ここでいう被合併法人の保有割合とは、「当該者が保有する当該被合併法人の株式又は出資の数又は金額」の「当該被合併法人の発行済株式等の総数又は総額」のうちに占める割合をいう。当該合併法人が当該被合併法人の株式又は出資を有している場合、その株式又は出資を発行済株式等から除外して計算する。
    • ここでいう合併法人の保有割合とは、「当該者が保有する当該合併法人の株式又は出資の数又は金額」の「当該合併法人の発行済株式等の総数又は総額」のうちに占める割合をいう。当該被合併法人が当該合併法人の株式又は出資を有している場合、その株式又は出資を発行済株式等から除外して計算する。
    • 判定の対象となる株主等には当該合併に係る被合併法人及び合併法人は含まれない。

(2)同一の者による支配関係がある場合

①基本的な要件

以下の要件を満たす場合、支配関係要件を満たす(法令4条の3第3項2号、2項2号)。

  • ① 合併前に当該合併に係る被合併法人と合併法人との間に同一の者による支配関係があること
  • ② 当該合併後に当該同一の者と当該合併に係る合併法人との間に当該同一の者による支配関係が継続することが見込まれていること
    • 当該合併後に当該合併に係る合併法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該合併の時から当該適格合併の直前の時まで当該完全支配関係が継続することが見込まれていればよい。

②無対価合併の場合

合併が無対価合併である場合、以下の要件も満たさなければならない(法令4条の3第3項2号、2項2号かっこ書き)。

  • ① 合併法人が被合併法人の発行済株式等の全部を保有する関係
  • ② 被合併法人及び合併法人の株主等の全てについて、その者の当該被合併法人の保有割合と当該者の当該合併法人の保有割合が等しいこと
    • ここでいう被合併法人の保有割合とは、「当該者が保有する当該被合併法人の株式又は出資の数又は金額」の「当該被合併法人の発行済株式等の総数又は総額」のうちに占める割合をいう。当該合併法人が当該被合併法人の株式又は出資を有している場合、その株式又は出資を発行済株式等から除外して計算する。
    • ここでいう合併法人の保有割合とは、「当該者が保有する当該合併法人の株式又は出資の数又は金額」の「当該合併法人の発行済株式等の総数又は総額」のうちに占める割合をいう。当該被合併法人が当該合併法人の株式又は出資を有している場合、その株式又は出資を発行済株式等から除外して計算する。
    • 判定の対象となる株主等には当該合併に係る被合併法人及び合併法人は含まれない。

3.金銭等不交付要件

適格合併となるには金銭等不交付要件を満たさなければならない(法法2条12号の8本文)。これは完全支配関係がある場合の適格合併の要件、共同事業要件による適格合併の要件と同様であるため、別の記事「合併の場合の金銭等不交付要件」を参照。

4.従業者従事要件

従業者従事要件とは、合併に係る被合併法人の当該合併の直前の従業者のうち、その総数のおおむね80%以上に相当する数の者が当該合併後に当該合併に係る合併法人の業務に従事することが見込まれていることをいう(法法2条12号の8ロ(1))。

当該合併に係る合併法人の業務には以下のものが含まれる(法法2条12号の8ロ(1)かっこ書き)。

  • 当該合併に係る合併法人との間に完全支配関係がある法人の業務
  • 当該合併後に行われる適格合併により当該被合併法人の当該合併前に行う主要な事業が当該適格合併に係る合併法人に移転することが見込まれている場合における当該適格合併に係る合併法人及び当該適格合併に係る合併法人との間に完全支配関係がある法人の業務

5.事業継続要件

事業継続要件とは、合併に係る被合併法人の当該合併前に行う主要な事業が当該合併後に当該合併に係る合併法人において引き続き行われることが見込まれていることをいう(法法2条12号の8ロ(2))。

主要な事業は以下の法人において引き続き行われることが見込まれていても要件を満たす(法法2条12号の8ロ(2)かっこ書き)。

  • 当該合併に係る合併法人との間に完全支配関係がある法人
  • 当該合併後に行われる適格合併により当該主要な事業が当該適格合併に係る合併法人に移転することが見込まれている場合における当該適格合併に係る合併法人及び当該適格合併に係る合併法人との間に完全支配関係がある法人
    (法法2条12号の8ロ(2))