1.基本的な取扱い
借地権が設定された土地につき、借地権を消滅させた後、土地を譲渡した場合、税務上は旧借地権部分と旧底地部分をそれぞれ譲渡したものとされる(所基通33-11の2)。不動産の譲渡所得に対する税率は短期保有か長期保有かで分かれるが、その判定は別々に行われる。旧底地部分は長期譲渡所得となっても、旧借地権部分は短期譲渡所得となる場合もある。
2.譲渡所得の計算
(1)収入金額
旧借地権部分の収入金額は土地の譲渡対価に土地の消滅時の更地価額のうちに旧借地権の消滅時の価額が占める割合を乗じて計算する(所基通33-11の2(1))。旧借地権の消滅につき対価の支払いがあった場合において、その対価の額が適正であると認められるときは、その対価の額を旧借地権の消滅時の価額とすることができる(所基通33-11の2(1)注)。旧底地部分の収入金額は土地の譲渡対価から旧借地権部分の収入金額を控除した金額である(所基通33-11の2(2))。
(2)取得費
旧借地権部分の譲渡所得計算時の取得費は基本的に旧借地権の消滅につき支払った対価の額である(所基通38-4の2(1)イ)。旧底地部分の譲渡所得計算時の取得費は基本的に元々の土地の取得費から旧借地権設定時に取得費とされた金額を控除した金額である(所基通38-4の2(1)ロ)。