法人税法における建物の定義と判断基準

法人税法では建物は減価償却資産の一つである。法人税法では建物の定義はないものの、不動産登記規則111条では建物は「屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない」とされている。そのため一般的に建物とは、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものと理解されている。

あるものが上記の建物の定義に該当するかどうかにあたっては、それが建築基準法の建築物に該当するかが一つの基準となるものと考える。建築基準法では建築物とは土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの等をいう(建築基準法2条1号)。建築基準法ではこの建築物に関し建築確認など様々な規制を定めている。コンテナ節税に対抗する際にこの建築物にあたるかどうかが利用された。コンテナ節税とはコンテナを購入しトランクルームとして利用し短期間で減価償却することで課税の繰延を図る手法である。しかしコンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する場合など、随意的かつ任意的に移動できないコンテナは、建築基準法の建築物とされる(国土交通省「コンテナを利用した建築物の取扱いについて(技術的助言)」)。国税庁はこの建築物に該当するコンテナは建物に該当するものとして法定耐用年数を適用すべき旨の更正処分等を行った(税務通信 No.3594 令和2年2月24日「コンテナ型トランクルームの節税投資にストップか」)。違和感がある判断ではないので、建物に該当するかどうかの判断にあたっては、建築基準法の建築物にあたるかどうかが一つの基準となると考える。

蓄電所のうちコンテナ型の蓄電所は原則として建築基準法の建築物に該当しない(国土交通省「蓄電池を収納する専用コンテナに係る建築基準法の取扱いについて(技術的助言)」)。ここでいうコンテナ型の蓄電所とは、土地に自立して設置する蓄電池を収納する専用コンテナのうち、蓄電池その他蓄電池としての機能を果たすため必要となる設備及びそれらの設備を設置するための空間その他の蓄電池としての機能を果たすため必要となる最小限の空間のみを内部に有し、稼働時は無人で、機器の重大な障害発生時等を除いて内部に人が立ち入らないものをいう。このコンテナ型の蓄電所は上記の基準に当てはめれば原則として建物に該当しないといえる。