1.課税貨物の意義
外国貨物とは、輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物で輸入が許可される前のもの並びに関税法73条の2の規定により輸出を許可された貨物とみなされるものをいう(消法2条1項10号、関税法3条)。
課税貨物とは、保税地域から引き取られる外国貨物で親書以外の貨物のうち、非課税とされるもの以外のものをいう(消法2条1項11号)。保税地域から引き取られる外国貨物のうち以下のものが非課税とされる(消法6条2項、別表第二の二)。
- 有価証券等
- 郵便切手類
- 印紙
- 証紙
- 物品切手等
- 身体障害者用物品
- 教科用図書
保税地域から引き取られる外国貨物のうち、上記非課税とされるものと信書以外のものが課税貨物となる。
2.課税貨物に対して課税される消費税の納税義務者
保税地域から引き取られる課税貨物については当該課税貨物を保税地域から引き取る者が納税義務者となる(消法5条2項)。
3.国内取引の判定
課税資産の譲渡等と特定課税仕入れは国内のものが対象であるが、保税地域から引取られる課税貨物については性質上そのような制約はない。
4.課税貨物に対して課税される消費税の課税標準
保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準は、当該課税貨物につき関税定率法の規定に準じて算出した価格に当該課税貨物の保税地域からの引取りに係る消費税以外の消費税等の額及び関税の額に相当する金額を加算した金額とされる(消法28条4項)。
課税貨物の保税地域からの引取りに係る消費税以外の消費税等とは、具体的には以下のものをいう(通則法2条3号)。
- 酒税
- たばこ税
- 揮発油税
- 地方揮発油税
- 石油ガス税
- 石油石炭税
5.仕入税額控除
(1)原則課税の場合
保税地域からの引取りに係る課税貨物につき課された又は課されるべき消費税額についても仕入税額控除の適用がある(消法30条1項)。
原則課税の適用を受け、保税地域からの引取りに係る課税貨物につき課された又は課されるべき消費税額について仕入税額控除の適用を受ける場合、帳簿及び請求書等の保存が必要となる(消法30条7項)。帳簿には以下の事項が記載されていなければならない(消法30条8項3号)。
- 課税貨物を保税地域から引き取った年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取った年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)
- 課税貨物の内容
- 課税貨物の引取りに係る消費税額及び地方消費税額又はその合計額
また請求書等として課税貨物を保税地域から引き取る事業者が税関長から交付を受ける当該課税貨物の輸入の許可があったことを証する書類その他の政令で定める書類で次に掲げる事項が記載されているものを保存しなければならない(消法30条9項5号、政令は消令49条8項)。
- 納税地を所轄する税関長
- 課税貨物を保税地域から引き取ることができることとなった年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取ることができることとなった年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)
- 課税貨物の内容
- 課税貨物に係る消費税の課税標準である金額並びに引取りに係る消費税額及び地方消費税額
- 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
(2)簡易課税の場合
課税資産の譲渡等と特定課税仕入れに基づき計算するため、保税地域からの引取りに係る課税貨物につき課された又は課されるべき消費税額があっても仕入税額控除の対象とならない(消法37条参照)。